ポール・ヘンリー・ニコル(Paul-Henry Nicolle)によって、1913年にフランス・パリ近郊で創業を開始。エレガントな外観でありながら頑丈な椅子を作るため、スチールのプレス加工において沢山の実験を重ね、1933年に生まれたのが二コル・チェアでした。その後、労働者は機械から5フィート(約1.5m)離れて作業しなければならないという厳しい労働基準法が施行され、創業以来86年間続けられた生産体制の変更による大きな投資が必要となったニコルの工場は、突如として終わりを迎えました。そこから数年後の2004年、産業考古学者のジェローム・ルペール(Jérôme LEPERT)が、ニコル・チェアの製造に使われた工具や金型が放置されているのを発見しました。彼は、この一世を風靡した工業用チェアをフランスで製造・復活させることを計画しました。そして2009年、生産が再び開始されたニコル・チェアは瞬く間に人気となりました。
NICOLLE CHAIR(ニコル・チェア)
ニコル・チェアは、1933年から現在に至るまで、今もなおフランスで製造されています。シェーズ・ニコル(Chaises Nicolle)の椅子には長い歴史があり、現在でも、90年前と同じ工具でニコル・チェアは製造されています。ニコル・チェアは、世界で最も古くから生産されている工業用チェアのひとつです。クジラの尾に似た背もたれのデザインが特徴的であることから、発表当初から「ホエールテール・チェア」の愛称で親しまれてきました。